ガバナンス

コンプライアンスとリスクマネジメント

Compliance and Risk Management

コンプライアンス

基本的な考え

当社は、創業以来「利益追求と同時に経済社会の発展に貢献する」ことを経営の基本とし、よき企業市民としての社会的責任を全うすることに力を注いできました。コンプライアンスの実践は、多様化する社会においてますます重要になっています。当社では、法令や規範の遵守にとどまらず、誠実で高い倫理観を持って事業を行い、社会から信頼され、世の中に貢献する真のグローバル企業になるよう努めていきます。

当社では、コンプライアンス意識向上のツールとして長らく使ってきた企業倫理ポケットブックを改訂し、2022年4月にコンプライアンス・ハンドブックとしてグループ会社の従業者に配布しました。コンプライアンス・ハンドブックでは、「信用」や「誠実」あるいは「利益と公正」という基本的価値観を従来どおり示すとともに、企業を取り巻く環境変化や社会の要請を加味し、挿絵や具体的な「やってはならないこと」を記載し、一人一人が心がける「行動指針」をわかりやすく編纂しました。コンプライアンス・ハンドブックは、コンプライアンスの理解と徹底を図るため、職場教育ツールの一つとして活用されています。

コンプライアンスハンドブック

1 コンプライアンス
推進委員会

6事業部門長を委員(うち経営推進部門長を委員長)とするコンプライアンス推進委員会を開催し、当社におけるコンプライアンス推進体制の確認、方針や活動内容の協議、周知・教育実施状況の振り返りなどを行っています。

2 研修と周知活動

従業員のコンプライアンスに関する理解と意識向上の徹底を図るため、当社では各種コンプライアンス教育・研修活動を実施しています。2021年度は、新入社員研修や管理職向けe-learning階層研修、海外出向者向けに社外講師による研修などを実施するとともに、コンプライアンス問題や他社事例などをメールマガジンや電子掲示版にて定期的に紹介しました。

3 内部通報制度

当社ではグループ社員が利用できる内部通報制度を導入しています。関連する社内規程においては、相談や通報の基本的事項を定め、情報提供者の秘匿及び不利益扱いの禁止を明文化しています。なお、2022年4月より社外の通報先を変更し、公正中立な外部専門業者にも直接相談や通報ができる仕組みにしました。

4 輸出管理

当社の製品及び技術の一部は、我が国の安全保障貿易関連法規の規制対象となっています。輸出入の法令を守り、適切な管理を行うことを基本とし、安全保障貿易管理に関する規程を制定しています。また、これを運用する目的で、輸出管理分科会を全社横断的に組織し、該非判定や取引審査などを確実に実施する管理体制を敷いています。

リスクマネジメント

基本的な考え

当社グループ共通のリスク管理活動の基本方針を当社規程に下記のとおり定めています。

  • (1) 当社グループは、リスク管理を経営上の重要課題として位置づけ、人的・経済的・社会的損害の最小化と早期復旧及び再発防止に努めるとともに、ESGやSDGsなど、新たな価値提供や社会課題解決に寄与することで人と社会の発展を支える。
  • (2) 当社グループは、リスク管理委員会を中心に、各部門と連携しながら、リスクの抽出・分析・評価・モニタリングを繰返し行い、継続的な見直し・改善に努める。
  • (3) 当社グループは、危機発生時に備えた事業継続マネジメント活動を推進するとともに、有事には人命の安全を最優先に、法令・社会通念に即した責任ある行動に基づき、迅速かつ誠実な対応による被害の最小化を図る。
  • (4) 当社グループは、自社を取り巻くリスクの内容や取り組みにつき、顧客や株主等に対して適時・適切に情報開示し、強固な信頼関係を築く。
  • (5) 当社グループは、定期的な教育・訓練により、社員一人一人が謙虚に学び合う機会を提供してリスク対応能力の向上を図り、社会の一員としての適切な行動に結びつける。

体制

経営監理委員会の傘下にリスク管理委員会を設置し、危機対応及び潜在的な事業継続リスクの未然防止双方について適正な対応を図るべく、各種規程、マニュアルを整備し組織横断的な危機管理を行う体制としています。・ リスク管理委員会:6事業部門長で構成し、年2回開催しています。社内に存在するリスク情報の共有、リスク評価、重要リスクの見極め、対応方針に関する検討を行い、対処方針・再発防止策等を取締役会へ報告・提案しています。決定された方針等の自部門展開、実施状況把握、教育実施等による自部門内でのリスク管理意識の向上を行っています。

組織横断的な危機管理を行うための体制図

リスク把握プロセス

不透明性を増す経営環境下で当社の成長戦略を遂行し持続的に企業価値を高めていくため、想定すべき経営リスクの予知、予見精度を向上させ、常に変化に対応できるレジリエンスを高めるための体制整備を進めています。2021年度には従来のリスク把握プロセスを見直し、リスク管理ツールの構築、リスク評価、評価に基づくリスク管理ツールの実効性確認を行いました。

リスク項目と対応

当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクを抽出し、被害の最小化と事業継続の両面からリスク管理を実施しています。

個別の対応例

当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクを抽出し、被害の最小化と事業継続の両面からリスク管理を実施しています。

  • ・BCP対応2021年度には南海トラフ巨大地震を想定した予行演習訓練を生産・SCM・調達部門で実施しました。事業継続(計画BCP)文書で定めたとおりの事業継続対応を実施できたほか、今後の改善点の抽出につながりました。
  • ・感染症対策 新型コロナウイルス感染症に対して、2020年の感染拡大初期に新型コロナ対策委員会(委員長:代表取締役専務執行役員古川 秀範)と専門部会を速やかに組織しました。全社方針「従業員と家族の安全第一」及び「会社機能を維持し事業を継続する」のもと、感染予防と事業への影響の最小化に向けた対応を図っています。
    • ・ 2021年度は新型コロナ対策委員会を31回開催
    • ・ 尼崎事業所での職域接種を実施
    • ・ 状況に合わせたマニュアル、通達の発行とグループ共有での行動統制の実施
    • ・ 従業員の健康状態のモニタリング
    • ・ 海外グループ各社との定期的な状況・情報把握
    • ・ 在宅勤務とスプリット制の推進
    • ・ ソーシャルディスタンスを確保する業務体制の構築
    • ・ 感染発生時には政府・行政と連携し事業所閉鎖や徹底した消毒ののち、最短で事業の再開
  • ・情報セキュリティ対策サイバー攻撃や機器、システムの障害対応、情報漏洩などに対応すべく、各部門長の統制による対策の実施を図りました。当社の情報セキュリティを維持していくために必要な全社的なマネジメント体制確立のため、2022年度に情報セキュリティ委員会を設置しました。