環境
Management of Chemical Substances
当社は化学品を取り扱う企業として、環境負荷低減とともに、製品や原材料を現場で取り扱うお客様や関係会社様、従業員の安全・健康への配慮として、化学物質の危険・有害性を考慮して、適切な取り扱い方法の提示、そのリスクにより使用を制限する使用禁止物質などを定めています。
個々の原材料について、当社フォーマットによる原料見本説明書の作成、SDSの情報から禁止物質・制限物質が含まれないかの確認を行い、適切に使用できるよう体制を整えています。
また、新規原料の取り扱い開始及び既存原材料の取り扱いの変更が発生した場合には、労働安全衛生法で要求されるリスクアセスメントを実施し、安全に取り扱える環境づくりを行っています。
塗料の取り扱い者、製造作業者への影響及び環境への悪影響から、有害化学物質は取り扱い上の法令遵守はもちろん、代替手法の開発など取り扱い量そのものの削減を重要な課題として捉えています。当社では取り扱う有害化学物質の管理手法を定め、目標を策定し取り扱い量低減による負荷の軽減に努めています。
主として、被塗物となる鋼材を錆腐食から守り、美観を保ちつつ長く持たせる効果から、六価クロムは防食機能が要求される塗料に用いられています。当社ではより有害性の低い代替材料の開発などを通して、六価クロム取り扱い量の削減に努めています。
2021年度は7.41t、2003年度比88.4%減と目標を達成しました。
販売した製品中の六価クロム量の推移
トルエン(T)、キシレン(X)、エチルベンゼン(EB)は、塗膜の仕上がり性、乾燥性などに優れた点があり、古くから溶剤系塗料で広く使われています。塗料中に含有されるこれらの物質は塗装〜乾燥の過程で大気中へ排出されることから、大気排出量を抑える方法として販売した製品中の含有量を管理しています。
2021年度は21,400tと2015年度の実績を下回り、目標を達成しました。
販売した製品中のT・X・EB量の推移
お客様と当社の事業活動における「生物多様性の保全」は重要な課題として捉えています。取り扱う製品や原料に含まれる化学物質の生物多様性へのネガティブな影響を防ぐために、製造所は工業団地など生物多様性への影響が比較的低いロケーションで選定し、自然環境へ著しく悪影響を与える物質の使用を管理しています。
具体的には、ノニルフェノール、オクチルフェノール等が内分泌かく乱物質の疑いを受けた当初から、新規製品への使用を禁止し、他物質への代替を進めており、引き続き、生物多様性保全への取り組みを進めていきます。
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルは水性塗料のキーマテリアルとして古くから使用されていますが、当社では水生環境への有害性が知られてから、新規製品への使用を控える、含有原料をより有害性の少ない物へ代替するなど、環境に配慮した活動を進めています。
含有原料の代替を進め、製品として出荷した両物質の合計量は、2020年度の0.64tから0.32tへ削減しました。2022年の使用廃止に向け、含有原料の代替活動を進めていきます。