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重防食用塗料
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技術資料


技術資料


無機ジンクリッチペイント面のミストコートについて
技術資料023

1.まえがき

無機質ジンクリッチペイントは、その防食性の良さから長期のメンテナンスフリーが要求される長大橋梁や大型プラント設備類などの鋼構造物に広く採用されています。しかしながら、この無機質ジンクリッチペイントに上塗りした時に、発泡やピンホールが生じ問題になる事故が多いようです。
以下にこの理由と防止方法を説明します。

2.理由

無機ジンクリッチペイントは、油性系、フタル酸樹脂系、塩化ゴム系、およびエポキシ樹脂系塗料(エポキシジンクリッチペイントを含む)などの有機質塗料と違い、塗装された塗膜はその膜内に
多くの空気穴(VOID)が存在します。この面に一般的な上塗り塗装すると、塗膜内にある空気穴
から上塗りした塗膜を通じて空気が逃げようとします。表面まで逃げた空気はピンホール現象となり、途中までの空気は泡となってしまいます。

3.ピンホールや発泡の防止方法

3-1海外での防止方法
無機ジンクリッチペイントは海外(主として、米国、オーストラリア)から導入されたものが多く、海外での防止方法をまず紹介します。
  1. 無塗膜を暴露してから上塗する。(Weathering Prior to Topcaot)
    上塗りするまでの期間、できるだけ無機ジンクリッチペイントを暴露する方法。環境にもよるが数ヶ月から数年暴露されると亜鉛が水、酸素、炭酸ガスなどと反応し、亜鉛の塩を生じ、これが空気穴を埋めることで問題を回避する方法です。ただ、この効果がいつ得られるか
    時間的にはっきりせず、逆に亜鉛塩の生成は防食性の低下や放置によるゴミその他の汚染物の堆積により、上塗塗膜との付着を悪くする恐れがあります。
  2. ジンクリッチペイントの硬化を促進する。(Acceleration Cure of Zinc-Rich Primer)
    水系の無機ジンクリッチペイントでは、塗膜中の水分を早く蒸発させるために加熱し、溶剤系無機ジンクリッチペイントでは高湿度の環境に放置したり、強制的に水と接触させて硬化を促進する方法です。
  3. タイコートの使用。(Use of a "Tie-Coat")
    防止のために特別な塗料をタイコートという名称で塗装する方法です。問題を回避するには確実な方法ですが、このタイコートそのものの防食性能やその他の機能に問題がある場合が多く、さらに特別な工数や塗料費用がかかる点では、ユーザーから歓迎されないのが実状です。
  4. エッチングプライマーの使用。(Use of a Wash Primer or Etching Primer)
    SSPC(米国Steel Structures Painting Council)や多くのユーザーがこの方法を推奨します。エッチングプライマーを使用するために特別な塗料の準備は必要なく、塗付量も少なく、各種の上塗塗料との付着性も問題がない利点があります。
  5. ミストコートする。(Mist Coat)
    無機ジンクリッチペイントに塗装する次の工程に先だって、その工程に使用する塗料を霧状(Mist)に薄く塗装する方法です。これは霧状になった細かな塗料粒子がジンクリッチペイントの空気穴に侵入し、部分的に弱くシールすることで問題を回避する方法です。しかし、この方法でシールされた塗膜は弱いために、すぐに元に戻りやすいため、ミストコート後10〜20分程度してから正規の塗装工程にはいる必要があります。
  6. シンナーで過剰に希釈して塗装する。(Over-Thinned Topcoat)
    無機ジンクリッチペイントに塗装する次の工程の塗料を50%程度に過剰に希釈して塗装する方法です。過剰に希釈された塗料は粘度が低く、塗膜内の空気穴に容易に侵入でき、空気を塗膜外に追い出すことで問題を回避します。
  7. 溶剤のみを塗付する。(Application of Solvent Coat before Topcaot)
    溶剤のみを無機ジンクリッチペント面に塗装します。その目的や効果は(6)と同様です。
3-2日本国内での防止方法
日本国内で採用されている防止方法は、海外での防止方法の(4)エッチングプライマーの使用、(5)ミストコートおよび(6)シンナーで過剰に希釈して塗装することが採用されています。但し、
日本では、(5)ミストコート(6)シンナーで過剰に希釈する方法の併用を「ミストコート」と呼んでいます。参考までに日本の各公的機関に採用されている防止方法を下表にまとめました。

日本の公的機関での無機ジンクリッチペイントのピンホールおよび発泡の防止法
規格・基準(公的機関)
防止方法
塗付量
(g/m
2/回)
目標膜厚
(μm/回)
塗装間隔
(20℃)
鋼道路橋塗装便覧
(日本道路協会)
ミストコート
(次層の塗料を50%
希釈して塗装)
160
---
1日〜10日
鋼橋等塗装基準・同解説
(本州四国連絡橋公団)
ミストコート
(次層の塗料を50%
希釈して塗装)
160
---
1日〜10日
鋼構造物塗装設計
施工指針
(旧国鉄・JR)
ミストコート
(次層の塗料を50%
希釈して塗装)
150
(10)
16時間〜2日
短ばく型
エッチングプライマー塗装
130
(10)
1時間〜12時間
塗装設計施工基準
(首都高速道路公団)
ミストコート
(次層の塗料を50%
希釈して塗装)
160
---
1日〜10日
土木工事共通仕様書
(阪神高速道路公団)
ミストコート
(次層の塗料を
20〜50%希釈して塗装)
160
---
1日〜10日
※ミストコートされた塗料は無機ジンクリッチペイントの塗膜内の空気穴に充填されるため、目標膜厚には計上されないか、参考値となっています。


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