KHD-392
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―  13  ―3.設計要領 第二集 橋梁保全編3・3 塗膜除去の準備(1)塗膜除去の準備1)旧塗膜の塗歴調査過去の塗歴等により、人体に影響を与える以下の有害物質が含有されているかを確認しなければならない。① PCB(重量0.1%以上)② コールタール(重量0.1%以上)③ クロム及びその化合物(重量0.1%以上)④ 鉛及びその無機化合物(重量0.1%以上)⑤ その他、大気中に飛散すると作業環境評価基準以上となりそうなもの。2)旧塗膜の成分調査塗歴調査より1)の①~⑤が含有されていることがより明らかなものを除き、塗膜成分調査を実施しなければならない。ただし、過去の塗歴より有害物質の含有がないことが明らかな場合は調査を省略してもよい。1)人体に影響を与える有害物質を含有することが既知な塗料は以下の通りである。なお、JHS-P-○○ の塗料に関しては、設計要領第二集 橋梁保全編の表5-6-8を参照すること。① 鉛丹錆止めペイント(JIS K5622)② 亜酸化鉛錆止めペイント(JIS K5623)③ 塩基性クロム酸鉛錆止めペイント(JIS K5624)④ シアナミド鉛錆止めペイント(JIS K5625)⑤ ジンククロメート錆止めペイント(JIS K5627)⑥ 鉛丹ジンククロメート錆止めペイント(JIS K5628)⑦ 鉛酸カルシウム錆止めペイント(JIS K5629)⑧ 昭和49.4.15以前の塩化ゴム系塗料⑨ タールエポキシ樹脂塗料(JIS K5664)⑩ JHS-P-03,04,09,10を満たす塗料危険物及び有害物の含有に関する閾値は、労働安全衛生法第五十六条(製造の許可)及び第五十七条(表示等)に基づき決定したが、塗膜除去作業で大気中に塗膜が飛散した状態でも作業環境評価基準以下となることが実験等により確認された場合はその限りではない。2)塗歴調査から含有量が判断できない場合や、過去の塗替え塗装で旧塗膜が残存している可能性があることなどから、原則塗膜成分調査を実施するものとした。なお、PCBに関しては「低濃度PCB廃棄物に関する測定方法(第2版)(平成26年9月 環境省)」を参考にするとよい。(2)塗膜の除去作業人体に影響を与える有害物質が含有している塗料の除去に関しては、労働安全衛生法、鉛中毒予防規則等関係法令や鉛中毒予防規則等関連法令や、「鉛等有害物質を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康被害防止について(平成26年5月30日 厚生労働省)」に従い、塗膜の除去を実施しなければならない。人体に影響を与える有害物質が含有している塗料の除去は、塗膜の除去作業等従事者が吸引する空気が表-24の濃度以下となるような対策を検討し実施するものとする。また、作業箇所の隔離措置を実施し、近隣環境への有害物質の飛散がないように留意するものとする。表-24) 作業環境評価基準の管理濃度物質名管理濃度PCB0.01mg/㎥コールタールベンゼン可溶性成分として0.2mg/㎥重クロム酸及びその塩クロムとして0.05mg/㎥鉛及びその化合物鉛として0.05mg/㎥その他労働安全衛生法第六十五条の二第二項の規定に基づく、作業環境評価基準以下。「鉛等有害物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康被害防止について(平成26年5月30日、厚生労働省)」では、必ず湿潤化と記載されている。現状の技術として、塗膜剥離剤などの湿潤化による塗膜除去作業や、粉じんがほとんど生じない電磁誘導熱を用いた塗膜除去作業等が存在するが、鉛丹や鉛系錆止めペイント、凹部、ボルト部、溶接部の塗膜を完全に除去できるまでには至っていない。また、素地調整程度を3種とした場合、湿潤化による塗膜除去後の活膜の耐久性に対する影響が明確でないため、素地調整程度を1種としており、ブラストを使用した粉じんの発生する作業をせざるを得ない状況にある。そのため、粉じん濃度の低減対策を検討し、労働安全衛生法第六十五条の二第二項の規定に基づく、作業環境評価基準以下の管理濃度とすることとした。作業場の粉じん濃度の低減対策として、作業空間に応じた十分な排気量及び除じん機能を有する集じん排気装置の設置、電動ファン付き呼吸用保護具やこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器、酸素呼吸器もしくは送気マスクの装備などを検討・実施する必要がある。また、近隣環境への飛散防止のための作業場の隔離措置として、足場の板張りやシート張り、シートのつなぎ目のラップや養生テープでの隙間の目張りといった工夫、粉じんを外部に持ち出さないよう洗身や作業衣等の洗浄などを検討・実施する必要がある。塗膜剥離剤を用いて塗膜除去を行う場合は、安全対策や周辺環境への影響について十分留意するものとし、材料や工法の品質規格に関しては、「土木研究所資料、土木鋼構造物用塗膜剥離剤ガイドライン(案)改定第2版(土木研究所資料第4364号)、平成29年3月」における「安全性」に関する規定を参考にするとよい。

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