KHD-391
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― ―5-4 シンナーによる希釈率気温の寒暖や塗装面の状態に対応して作業性を良くするためシンナーを混合する必要が生じた場合は、表8により行う。シンナーは、原則として塗料と同一メーカーの製品を使用しなければならない。また、無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料は、希釈してはならない。[解 説](1)塗料は一般に既調合形・多液形とも常温(約20℃)でそのまま塗装できる粘度に製造管理されている。実際に塗装を行う場合は、その時の温度の高低および塗装方法に応じて、右記の希釈率の範囲内で適正な作業性と均一な膜厚を得られるように調整して使用してもよい。(2)粘度が高すぎると乾燥不良によるちぢみや膜厚不均一を生じ易い。一方シンナー希釈過剰によって粘度が低すぎると、塗膜が薄くなって付着性低下や隠ぺい力不足の原因となるので注意する。(3)塗料ごとに適正なシンナーは異なる。不適正なシンナーを使用すると粘度が下がらないだけでなく、著しい場合には樹脂がゲル化、析出して使用できない場合も生じる。5-5 塗装作業(1)塗装方法は、スプレー、はけを原則とし、塗り残し、気泡、むらなどのない均一な塗膜厚になるよう入念に行う。(2)塗装間隔は、付着性を良くし、良好な塗膜を作るための重要な要素であるため、仕様上の塗装間隔を守らなければならない。(3)塗料は、十分に攪拌して使用しなければならない。(4)可使時間(ポットライフ)を過ぎた塗料は使用してはならない。また、熟成時間を必要とする塗料は所定の時間を経過してから塗装するものとする。(表9参照)表9:塗料の可使時間塗 料 名可使時間(時間)無機ジンクリッチプライマー20℃ 5以内長ばく形エッチングプライマー20℃ 8以内無機ジンクリッチペイント20℃ 5以内有機ジンクリッチペイントエポキシ樹脂下塗塗料10℃ 8以内厚膜形エポキシ樹脂塗料下塗20℃ 5以内変性エポキシ樹脂塗料30℃ 3以内変性エポキシ樹脂塗料下塗(低温用)5℃ 5以内変性エポキシ樹脂塗料内面用(低温用)10℃ 3以内超厚膜形エポキシ樹脂塗料下塗20℃ 2以内エポキシ樹脂MIO塗料20℃ 5以内エポキシ樹脂MIO塗料(低温用)5℃ 5以内10℃ 3以内変性エポキシ樹脂塗料内面用20℃ 5以内変性エポキシ樹脂塗料内面用(低温用)5℃ 5以内10℃ 3以内ポリウレタン樹脂塗料用中塗20℃ 5以内ポリウレタン樹脂塗料上塗30℃ 3以内厚膜形ポリウレタン樹脂塗料上塗20℃ 5以内ふっ素樹脂塗料用中塗20℃ 5以内低汚染形ふっ素樹脂塗料上塗30℃ 3以内無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料20℃ 1以内無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料(低温用)10℃ 1以内表8:シンナーによる希釈率塗 料 名シンナー名希釈率(重量%)はけ塗りスプレー塗り無機ジンクリッチプライマー無機ジンクリッチ用シンナー-10以下長ばく形エッチングプライマーエッチングプライマー用シンナー10以下20以下無機ジンクリッチペイント無機ジンクリッチ用シンナー-10以下有機ジンクリッチペイントエポキシ樹脂塗料用シンナー5以下10以下エポキシ樹脂塗料下塗エポキシ樹脂塗料用シンナー10以下20以下変性エポキシ樹脂塗料下塗エポキシ樹脂塗料用シンナー10以下20以下変性エポキシ樹脂塗料内面用エポキシ樹脂塗料用シンナー10以下20以下無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料---厚膜形エポキシ樹脂塗料下塗エポキシ樹脂塗料用シンナー10以下20以下超厚膜形エポキシ樹脂塗料下塗エポキシ樹脂塗料用シンナー10以下20以下エポキシ樹脂MIO塗料エポキシ樹脂塗料用シンナー10以下20以下ポリウレタン樹脂塗料用中塗ポリウレタン樹脂中塗塗料用シンナー10以下20以下ポリウレタン樹脂塗料上塗ポリウレタン樹脂塗料用シンナー10以下20以下厚膜形ポリウレタン樹脂塗料上塗ポリウレタン樹脂塗料用シンナー10以下20以下ふっ素樹脂用塗料中塗ふっ素樹脂中塗用シンナー10以下20以下低汚染形ふっ素樹脂塗料上塗ふっ素樹脂塗料用シンナー10以下20以下[解 説](1)スプレー塗りには、エアレススプレーと圧送式エアスプレーとがあるが、圧送式エアスプレーは塗料の飛散が多く、塗膜内に空気を塗り込む欠点があるので、エアレススプレー塗りを原則とした。ただし、エアレススプレー塗りは細部部材や部材の凹凸部、エッジ部などでは塗料の飛散が多く、塗膜が薄くなり易いので、これらの部分にははけで先行塗装する必要がある。広い平滑面をはけ塗りする場合には、ローラーブラシを併用してもよい。この場合塗料によってはローラー目や泡などを生じ易いので、ローラーの選定や施工にあたって十分注意する必要がある。また、耳桁外面や下フランジ下面では、塗膜の見た目の光沢がなくなるのでローラーブラシを用いてはならない。(2)ブラストにより除錆された鋼材表面は活性化されているため、発錆速度は比較的速い。したがって、すみやかに(2時間程度以内)プライマーを塗付すること。プライマー塗付後30分以上経過するまでは、その鋼材を積み重ねたり、踏んだりしないこと。塗装間隔が短いと、下地末乾燥塗膜は、塗り重ねた塗料の溶剤によって膨潤する。また、塗り重ね塗膜の乾燥固化により、下地の未乾燥塗膜は乾燥条件が悪くなって溶剤が蒸発しにくくなり、後日、ちぢみ、あわ、ふくれ、われなどの障害が生じる。塗装間隔が長すぎると、耐候性の少ない下塗り塗膜は直射日光などの影響を受けて劣化し、塗膜が硬くなるので、その上に塗られる塗膜との付着性が悪くなる。(3)塗料中の顔料は、一般に金属の化合物で比重が大きく沈殿しやすい。塗料の使用に際しては、塗料缶の天地を逆にして振動させてから開缶し、動力攪拌機で十分に攪拌して、缶内の塗料を均一な状態にすることが必要である。(4)多液型塗料の中には、混合後に一定の熟成時間を必要とするものがある。また、可使時間や熟成時間は塗料の種類、温度により異なるため、混合後の使用時間に十分注意することが必要である。(5)溶接部は、溶接棒の被覆剤の影響でアルカリ性物質が付着する。このため、溶接部を無処理で塗装すると「アルカリ性ふくれ」を生じることがある。アルカリ性ふくれを防止するには、塗装に先立って、溶接部付近のアルカリ性物質を除去するか、中和すればよい。溶接部をブラスト処理した場合や溶接部に赤さびが発生していてこれを除去した場合、アルカリ性物質は除去されたと考えて良い。特別な理由がある場合を除き、鋼材とコンクリートの接触面、例えば桁の上フランジ面、鋼床版上面のRC壁高欄設置箇所、橋脚のベースプレート、アンカーフレーム、沓用アンカーボルトなどの部分には塗装してはならない。5.塗装の管理5-6 下塗り塗膜が劣化している場合の処置工場での下塗りまでの施工済み部材に現地で中塗り、上塗り塗装を行う場合は、下塗りの劣化状況に応じて表10の処置を行った後、中塗り、上塗りの塗装を行うこと。表10:下塗り塗膜が劣化している場合の処置劣化状態われ、はがれ、はく離等の発生面積が5%以下で。点さびがない場合われ、はがれ、はく離等の発生面積が5%以下で。点さびが発生している場合部 位われ、はがれ、はく離、さびがない場合われ、はがれ、はく離、さびがある場合全 面素地調整清掃と軽い面あらし除錆して鋼材面露出全面に素地調整3種補修塗装変性エポキシ樹脂塗料下塗 240g/m2×3層●鋼材露出部  変性エポキシ樹脂塗料下塗  240g/m2×2層●全体  変性エポキシ樹脂塗料下塗  240g/m2×1層※1※1)スプレーによる塗装が可能な場合は、スプレー塗装する。※2)補修塗装後、中塗塗装を施工するまでの間隔が10日以上となる場合は、エポキシ樹脂MIO塗料を追加すること。

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