KHD-390
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    10    6. 新技術の紹介 6-2-2 寒冷地用塗料 冬期の低温時に塗替え工事を施工する場合、変性エポキシ樹脂塗料などの低温用塗料を適用しても5℃以下での施工は制限されます。 特に寒冷地においては従来の土木構造物用塗料では塗装できる期間が短く、低温時に塗装できる塗料の開発が待たれていました。このような要望下におきまして、寒冷地変性エポキシ樹脂塗料や湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料などが開発されました。寒冷地用塗料の特徴を以下に示します。エポキシ樹脂にジアルカノールアミンやポリエチレングリコール等を反応させ、水酸基を持つエポキシポリオール樹脂とし、イソシアネートでの重合反応硬化や、アクリル酸とアミンのマイケル付加反応などによって低温領域で硬化が可能になります。また湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料は、樹脂の 末端にイソシアネート基をもち大気中の水分により架橋反応を開始し、3次元網目構造を形成します。表①~③に塗装仕様の例を示します。①寒冷地塗装仕様の例(エポキシ/ポリウレタン樹脂系)補 修 塗寒冷地用エポキシ樹脂塗料 下塗50μm下 塗寒冷地用エポキシ樹脂塗料 下塗50μm×2回中 塗寒冷地用ポリウレタン樹脂塗料用 中塗30μm上 塗寒冷地用ポリウレタン樹脂塗料 上塗25μm②寒冷地塗装仕様の例(エポキシ/シリコン変性アクリル樹脂系)補 修 塗寒冷地用エポキシ樹脂塗料 下塗50μm下 塗寒冷地用エポキシ樹脂塗料 下塗50μm×2回中 塗寒冷地用シリコン変性アクリル樹脂塗料用 中塗30μm上 塗寒冷地用シリコン変性アクリル樹脂塗料 上塗25μm③寒冷地塗装仕様の例(湿気硬化形ポリウレタン樹脂系)補 修 塗寒冷地用湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料 下塗50μm下 塗寒冷地用湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料 下塗50μm×2回中 塗寒冷地用湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料用 中塗30μm上 塗寒冷地用湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料 上塗25μm6-2-3 中塗・上塗兼用塗料 中塗・上塗兼用塗料は、上塗り塗料の厚膜化や表面技術の制御などによって中塗りを省略することが出来る塗料であるため、工程短縮が可能になります。1)厚膜形ふっ素樹脂塗料上塗 ふっ素樹脂を主な成分とする主剤と硬化剤からなる2液形塗料です。顔料と溶剤の組成配合技術によって、構造粘性を高めた厚膜性に優れた上塗り塗料で、中塗り層を省くことができます。 塗膜性能は、従来のふっ素樹脂塗料仕様と同等であることから、耐水性、 耐薬品性に優れて、特に耐候性は、従来のふっ素樹脂塗料と同様に優れています。2)厚膜形シリコン変性エポキシ樹脂中塗・上塗兼用塗料 塗膜形成時にシリコン樹脂が表面に、エポキシ樹脂が下層に配向することによって、一つの塗料で中塗りと上塗りの機能を併せ持つ2液形塗料です。従来の中塗り、上塗り塗料に比べ、VOC(揮発性有機化合物)が少ないため、環境保全に対しても寄与できます。 塗膜性能は、従来のふっ素樹脂塗料仕様に匹敵する耐水性、耐薬品性、 耐候性を有し、エポキシ樹脂に起因する防食性も有しています。 表①~②に塗装仕様の例を示します。①中塗・上塗兼用塗料を使用した新設一般外面の塗装仕様の例塗装工程塗 料 名使用量(g/m2)目標膜厚(μm)塗装間隔製鋼工場素地調整ブラスト処理 ISO Sa2 1/24時間以内プライマー無機ジンクリッチプライマー160(15)6ヶ月以内製作工場2次素地調整ブラスト処理 ISO Sa2 1/24時間以内防食下地無機ジンクリッチペイント600752日~10日ミストコートエポキシ樹脂塗料下塗160―1日~10日下 塗エポキシ樹脂塗料下塗5401201日~10日中塗・上塗兼用中塗・上塗兼用塗料*(注155注1)使用量はメーカーの指示する量とする。使用量はスプレーの場合を示す。②中塗・上塗兼用塗料を使用した塗替え一般外面の塗装仕様の例塗装工程塗 料 名使用量(g/m2)塗装間隔素地調整3種4時間以内下 塗弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料下塗(鋼材露出部のみ)(200)1日~10日下 塗弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料下塗2001日~10日下 塗弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料下塗2001日~10日中塗・上塗兼用弱溶剤中塗・上塗兼用塗料*(注2注2)使用量はメーカーの指示する量とする。使用量ははけ、ローラーの場合を示す。

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