KHD-390
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        6. 新技術の紹介  ここでは、近年利用される塗装にかかわる新技術のうち、有用と考えられる環境に配慮した塗料などの新規塗料や塗装技術について事例を紹介いたします。6-1 環境に優しい塗装系 地球環境への影響を考慮して、大気汚染の主要な原因物質の一つとされるVOC(揮発性有機化合物)の排出量を少なくするため、無溶剤形塗料、低溶剤形塗料、水性塗料等の低VOC塗料が開発されています。 新設用C-5塗装系及び塗替え用Rc-Ⅰ塗装系、Rc-Ⅲ塗装系に対して、水性塗料の適用により塗装系全体としてのVOC量を70%程度以上削減した環境に優しい塗装仕様が開発されました。ここに示す環境に優しい塗料系の仕様は、独立行政法人土木研究所と塗料メーカーとで実施された研究成果です。なお、表①~③に環境に優しい塗装仕様の例を示します。 水性塗料は低音や高湿度環境では乾燥しにくく、また、厚膜になるとたれやすいことなど従来の溶剤形塗料とは性状が異なるため、適用にあたっては環境条件等を十分に考慮する必要があります。①環境に優しい塗装仕様の例(一般外面用の新設塗装系)(スプレー塗装)(溶剤削減率約70%程度)塗装工程塗  料  名使用量(g/m2)目標膜厚(μm)塗装間隔製鋼工場素地調整ブラスト処理 ISO Sa2 1/24時間以内プライマー無機ジンクリッチプライマー160(15)6ヶ月以内製 作 工 場2次素地調整ブラスト処理 ISO Sa2 1/24時間以内防食下地無機ジンクリッチペイント600752日~10日ミストコート水性エポキシ樹脂塗料下塗160―1日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗200401日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗200401日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗200401日~10日中 塗水性ふっ素樹脂塗料用中塗170301日~10日上 塗水性ふっ素樹脂塗料上塗14025②環境に優しい塗装仕様の例(一般外面用の塗替塗装系)(素地調整程度1種、スプレー塗装)(溶剤削減率約90%程度)塗装工程塗  料  名使用量(g/m2)目標膜厚(μm)塗装間隔現  場素地調整1種4時間以内防食下地水性有機ジンクリッチペイント30037.51日~10日防食下地水性有機ジンクリッチペイント30037.51日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗200401日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗200401日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗200401日~10日中 塗水性ふっ素樹脂塗料用中塗170301日~10日上 塗水性ふっ素樹脂塗料上塗14025③環境に優しい塗装仕様の例(一般外面用の塗替塗装系)(素地調整程度3種、はけ・ローラー塗装)(溶剤削減率約90%程度)塗装工程塗  料  名使用量(g/m2)目標膜厚(μm)塗装間隔現  場素地調整3種4時間以内下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗180(45)1日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗180(45)1日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗180(45)1日~10日下 塗水性エポキシ樹脂塗料下塗180(45)1日~10日中 塗水性ふっ素樹脂塗料用中塗140(30)1日~10日上 塗水性ふっ素樹脂塗料上塗120(25)6-2 新規塗料6-2-1 省検査形膜厚制御塗料 従来は塗膜厚検査のために、膜厚計を用いて測定していましたが、省検査形膜厚制御塗料は塗装作業者や検査者が目視によって規定膜厚が確認できる塗料です。 これによって、規定膜厚に達していない個所を目視で確認できることから、補修作業が著しく軽減され、膜厚計による検査も不要になります。さらに、塗膜欠陥が非常に少なくなり、結果的に塗膜の期待耐用年数が延びることになります。 内面用は、従来は240μmを2回塗りで塗装することによって、膜厚の均一化を計っていましたが、省検査形膜厚制御塗料を使用すると、1回塗りで規定膜厚が確保されたことが確認できるので240μmを1回塗りとすることもできます。 表①に塗装仕様の例を示します。①省検査形膜厚制御塗料を使用した内面用塗装仕様の例塗装工程塗 料 名使用量(g/m2)目標膜厚(μm)塗装間隔製鋼工場素地調整ブラスト処理 ISO Sa2 1/24時間以内プライマー無機ジンクリッチプライマー160(15)6ヶ月以内製作工場2次素地調整動力工具処理 ISO St34時間以内第1層省検査形膜厚制御エポキシ樹脂塗料内面用720240注1)使用量はスプレーの場合を示す。

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