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重防食用塗料
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技術資料


技術資料


塩分の付着とその処理法について
技術資料006

1.まえがき

鋼構造物は、工場で部材を製作し、プライマー、下塗あるいは中塗を塗装して現地に搬入する場合が多く、従って、海上輸送の条件および現場における保管状態や期間によって多量の塩分が付着する可能性があります。塩分が付着したまま塗装すると、その上に塗られた上塗塗料の表裏に浸透圧を生じ、水(水蒸気)が塗膜に浸透しやすくなる結果、上塗とその下の塗膜の間でふくれやはがれを生じる原因となります。
水資料は、橋梁などに付着した塩分の測定結果、水洗による洗浄の結果および塩分の付着量と各種塗膜の付着性について解説します。

2.膜に塩分の付着する要因

2-1海からの海塩粒子
  1. 橋梁などの製作メーカーが海浜地区に集中している。
  2. 大型物件は海上輸送される。
  3. 海上や海浜地区に架設される。
2-2塩化カルシウムなどの道路凍結防止剤

3.塩分の付着量

3-1実橋における塩分の付着量 [JSSC Vol.12 No.122(1976)]


橋梁名
部位
腹板
(外面)
腹板
(内面)
下面
備考
和賀江橋
22.5
270.0
194.0
湘南道路 海浜地区
猿沢橋
2.0
0.4
---
箱根道路 山間地区
谷津橋
140.0
372.4
43.2
京葉道路 海岸地区
銚子大橋
247.0
277.8
774.0
国道126号線 河川地区
富雄橋
10.2
13.8
7.4
阪奈道路 田園地区

架設される場所によって塩分の付着量が大きく変わってくる。
山間、田園地区では少なく、海浜、海岸地区ではやはり多くなっている。
部位別では、雨水などで洗浄される部位(外板面)はその量が少なく、その他の部位では多い傾向がある。

3-2海浜地区(千葉県千倉)における塩分付着量

グラフ

塗膜の表面状態によって多少異なるが、おおよそ海浜地区でばくろされた被塗物に付着する塩分量(Cl-)は約100mg/m2/1ヵ月である。

4.塗膜層間の塩分付着量と付着性

塗膜層間が塩分で汚染した場合の促進付着試験

4-1塗装仕様

塗装系
工場最終塗料
現地中塗塗料
現地上塗塗料
A
SDシアナミドサビナイト
(JIS K 5625 2種)
橋梁用SDマリン中塗
(JIS K 5516 2種 中塗用)
橋梁用SDマリン
(JIS K 5516 2種 上塗用)
B
フェロドールF
(フェロドールMIO)
同上
同上

4-2試験板の作成要領
試験板には150×75×0.8mm SS-41鋼板をサンドブラスト処理したものを用いています。
塗装は実際に合わせ規定量をはけ塗り、A,Bとも工場最終塗料を塗装後、規定量の塩分を付着させ、現地で中・上塗り塗料を塗装しています。2日放置後、3日および5日間水道水に浸漬し、引き上げ直後に塗膜層間の付着試験を行っています。くり返しは3枚とします。

4-3付着試験方法
引き上げて素早く表面の水分をガーゼでぬぐい取り、クロスカットを入れ、テープを圧着後、強く引きはがし層間のはがれの状態を調べました。


4-4試験結果


塩分付着率
(mg/m
2
侵漬日数(3日)
侵漬日数(5日)
塗装系
A
塗装系
B
塗装系
A
塗装系
B
100
○○○
○○○
○○○
○○○
200
△○○
○○○
×○○
○○○
500
×○○
○○○
×○×
△○△
1000
×××
△△△
×××
×△△
2000
×××
×△△
×××
×△×
架評価基準:○異常なし △10%以下の剥離 ×10%以上の剥離
試験の結果より、塗膜の層間の塩分付着量が200mg/m
2になると、付着不良傾向が認められます。

5.塩分付着に対する管理と処理方法

前記の試験結果より、塗り重ねする面に塩分が200mg/m2あると塗膜の層間付着性が悪くなる傾向が認められました。このことから、管理方法として、塗り重ねする面の塩分は100mg/m2以下にすることが望ましいと言えます。塩分付着量が管理値以上の場合の処理方法としては水洗が最適です。

下表は胞姫橋(建設省北陸地建、海浜地区)において消火用ホースにより水洗した際の水洗効果を示す。
[単位NaCl mg/m2]
部位
水洗前
水洗後
海側トラス下面
174.2
98.4
海側主桁フランジ下面
962.4
77.9
中央部内桁フランジ下面
513.3
38.4
山側主桁フランジ下面
320.5
32.0

一般にフランジ下面には直接雨が当たりにくく、また、他の部分からの水がたまり塩分が濃縮されます。上記の結果から、このような部位についても入念に水洗すれば塩分量を100mg/m2以下に抑えられることがわかります。なお、各公共団体などが定めている規格では、付着塩分量が100mg/m2を超えている場合には、水洗などにより100mg/m2以下にまで処理したのち、次工程の塗料を塗装するように指示していることが多いようです。鋼道路橋塗装便覧でも「一般に塗装に対する許容付着塩分量はNaCl 100mg/m2以下としている場合が多い」と記されています。また、日本橋梁建設協会では、鋼橋の付着塩分管理マニュアルで油性・フタル酸樹脂塗料を塗装する場合は50mg/m2、塩化ゴム系、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂系塗料を塗装する場合は100mg/m2を塩分許容値としています。


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