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達人インタビュー
北陸大学 教育能力開発センター 小林忠雄教授

緑は歴史ある金沢のイメージカラー。

去る2003年の2月、金沢で開かれたライブフォーラムで、金沢在住者100人を対象にした「金沢をイメージする色は何色?」というアンケートが行われたそうです。その結果、1位に選ばれたのは緑色、次いで2位は茶色、3位は白色、グレー、金色という順位。

「1位が緑色だったというのは、おそらく城跡や兼六園などの緑地帯が金沢の中心部にあって、森の都のイメージが定着しているからだと思います。また江戸初期には、領内の材木を保護する目的で「七木の制」といわれる厳しい法が定められて、むやみに木が切れない時代がありました。結果的に藩内は木であふれ、切られずに育った松や杉、檜、欅、栂などは、銘木に育っていったわけです。この他にも、当時はまだ貴重だった高山植物の黒百合の根からとった緑色の染料をわざわざ作って、着物などを染めていたという記録もあります」と小林先生。どうやら金沢の人は、昔から緑色を好むというDNAを持ち合わせていたようです。

「また、2位の茶色は旧城下町を思わせる木造建築の色ですし、3位の白は雪、金色は金箔の色という具合に、金沢の伝統文化、風土と密接に関係していると思います。その一方で、実際に金沢で使われる色彩の特長は、赤のベンガラ壁や群青色のコバルト壁であったり仏壇の金色であったり、あるいは加賀友禅や九谷焼に見られる五彩色などの華やかな色彩であったりと、結構、派手目。
しかし、それらは概して内側に向いたものばかりで、金沢人は外部に対してはあまり目立たず大人しく、というのが一般的なんです」。以前、公園の側にあった老舗の旅館が、鮮やかな緑色のビルに改築した際、市民のあいだでたいそうな物議を醸し出したことがあったとか。いくら緑好きの金沢人といえども、外に向かって目立つ色彩は受け入れられなかったようです。



一つひとつに意味を持つ華やかな五色生菓子。

江戸時代、百万石の城下町として発展し、第二次世界大戦の戦災からも逃れられた金沢は、全国に点在する城下町の中でもひときわ際立って、特長のある地域文化が残されていると小林先生はおっしゃいます。

「特に金沢人の色彩表現は、宗教的なものと相まって生活の中で根強く、代々に渡って受け継がれてきました。例えば、婚礼などのお祝い事に用いられる「五色生菓子」は古代中国の陰陽五行説の影響を受けて、赤色は日(太陽)、白色は月、黄色は山、青色は波(海)、黒は田(土)を表しているといわれています。また、赤は呪術的な色として用いられることが多く、先祖の年忌法要などのお仏事に朱塗りの宗和膳や椀の什器類が使われたり、旧家の座敷や奥の間、仏間といった普段使われない部屋の壁をベンガラで赤く塗ったりして、日常生活とは切り離されたハレの空間を意識することに使われてきたのです」。
金沢は家の作りも街並みも京を手本にしているだけあってよく似ていますが、さすがどこの家にでも普通に見られるベンガラ壁や金箔をふんだんに使った仏壇などは京都では見られません。雪国の風土が作りあげた金沢ならではの感性は、どこにも混ざることのない独特の個性となって新たな都市を作り出しています。
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