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達人インタビュー
金沢箔・伝統工芸士 新木昭さん

多くの職人が時間と技をかけて生み出す金沢箔。

文禄2年(1593)加賀の初代藩主前田利家が、金銀箔製造を命じたことが始まりとされる金沢箔。
昔から変わらない独特の製法は、国指定伝統工芸材料品であり、日本全国で美術品や文化財などに利用されています。
「おおざっぱに工程をいうと、和紙の中に金を入れて叩き、1万分の2ミリほどの薄さに延ばしていくというもの。でも、そこへ行くまでには20も30もの行程があって、いろいろな人がかかわっているんですよ」と新木昭さん。ただ叩いて延ばすという単純な作業ではなく、それぞれ専門の職人さんが分業で作業し、手間と時間をかけて美しい金箔が作られています。

新木さんが担当するのは、1000分の3ミリ程度の段階にまで延ばされた「澄(ズミ)」と呼ばれる金を、さらに薄く延ばして金箔とし、最後に仕上げを行う人へバトンタッチするまでの作業です。
その作業の中でいちばん大切なのが、金箔を1枚1枚はさんでいく和紙を仕込むこと。和紙の表面にある産毛のような毛羽を柿渋や玉子を混ぜた藁の灰汁につけて馴染ませ、打ち紙として使えるツルツルの紙に仕上げていくそうです。
最初は真っ白だった和紙が、次第に黄色味を帯びていき、良質の打ち紙に仕上がるまでには、3ヶ月も4ヶ月もかかるとか。その期間を含めて1枚の金箔が仕上がるまでには、およそ半年もの時間が費やされるというから驚きです。


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金は青く光り、幻想的に美しい。

向こう側が透けて見えるまでに薄く延びた金箔は、1枚1枚が非常に繊細で、少しの風でもよれて台無しになってしまうほど。打ちあがった箔を打ち紙から竹箸で広物帳に移し変えるときには、暑くてもクーラーは切って作業にかからなければいけません。
「このとき竹箸は指先でちょっと握り、さっとすくうだけ。力加減を間違えると、これまでの苦労も水の泡になってしまうからね。案外、根気がいるんですよ」と新木さん。

そんな貴重で繊細な金箔を新木さんは惜しげもなく、光に透かして見せてくださいました。無用な風を立てないようにそっと覗くと、光が透けて見える金箔は、金色ではなく青く輝き、とても幻想的。これまでに見たことのない美しさです。
「光に透かしてみると均一に延ばせてるか、厚い、薄いがあるかがよくわかるでしょ」。
同じように金を叩いていっても、ときには厚みにムラができたり、穴が開いてしまったり、ただ薄く延びたからといって、全部が全部いい金箔に仕上がるとは限らないのだそうです。
その厚みのムラを無視して、例えば金仏壇に貼ったとすると、厚みのムラは色のムラとなって現れ、仏壇そのもの価値を下げてしまうことになってしまいます。
「だから延ばしたら一人前というのではない。いかに均一にムラなく延ばしていくかということがいちばん神経を使うところやね」。
また、例えばピカッと光るような艶やかな色合いに仕上げたり、反対に光沢感を抑えた艶のない表面に仕上げたり、寸法も3寸3分から7寸2分まであり、用途によって作り替えなければいけないそうです。

「作る色にしても違うんよ。金に混ぜる銀と銅の配合の違いによって、1から4号色まで分類されていて、4号がいちばん青い感じで、1に近づくほど金の純度が高くなっていくから赤くなっていく。作り方に違いはないけど、大きくなるほど均一に仕上げる部分を大きく作らないといけないので難しいわね」と新木さん。箔の中にはまだまだ大きな寸法のものもあるそうですが、大きい箔はそれだけな難易度も高く、現在、新木さんしか作れないそうです。
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