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達人インタビュー
広島女子大学 生活科学部 生活環境学科 環境デザイン 川崎洋一教授


光を操作し、自然の緑と調和をはかる。

「実は、ずっといい続けている色の問題が他にもあるんです。ひとつは素材の問題。空間を表現するのに色を使うのなら、何を使ってもいいじゃないかと思うので、もっと材質に目を向けて欲しいんです。光をうまく操作できるように色を考えていくと、非常に調和のとれたものができます。例えば、土のようなベタッとしたものの中にタイルか何か、少し金属的な光沢を持ったものを埋めてやると、土のドロッとした重たさがなくなるんです」。

そしてもうひとつ、より大きな問題点なのが、自然色をどうやって取り入れるかということ。放っておけばどんどん人工的な色で埋め尽くされていく市街地のなかに、自然色をバランスよく配置することが、公共の色彩計画の中では一番重要なことだと川崎先生は指摘されます。

「自然の色がないといくら人工色で繕ってもダメです。たとえ理想的にうまくいっても時間経ったら飽きてきます。褪色することはあっても、人工の色には変化がありませんから、やはり季節によって変化する動植物があってこそ、初めてそれとバランスが取れるんです。反対に人工的な色で緑は使わないほうがいいって、私はいつもいってるんです」。



広島の街のイメージは緑色?

人工色をきれいに見せようとするなら、基本になるのはやはり自然の緑。緑をきちんと確保すれば、他に何色を持ってきてもそんなにおかしくならないというのが川崎先生の意見です。

「緑がないと、変化に対応できない。それともうひとつ形も問題ですね。人工物は幾何学的なものにどうしてもなるんですよ。直線か曲線でもコンパスで書いたようなものにしかならない。それに対して植物っていったら有機的な形でね、隙間があればどこにでも広がっていく。やっぱりとげとげしいものをみんな消してくれるわけです。それがほっとさせる要素になっている。形と色と常に変化していくということが重要な役割をしているから、それが主役ですよ。そこをきっちっと確保したら、かなり大胆な色を使ってもそんなにおかしくならないんです」。

先生がいま広島県とともに手がけている広島港の景観計画についても、新たな埋立地のなかに公園緑地をつくり、人が集まるところをつくろうと提案されています。そういえば、以前、広島で行なわれたあるアンケートによると「広島の街の色は緑色」と答えた人が多いとか。それだけ、広島には緑豊かな景観がつくられているということなのでしょうか。



より広島らしい色彩景観を目指して。

「緑が多いのでグリーンのイメージというのはあると思います。広島に帰ってくると ほっとするし、緑の量は多い方じゃないかな。広島が優れているなと思える点は、原爆が落ちてやり直しになったとき、大田川から分かれた川沿いの土手を全て、家を建てられないようにしたことです。それは先見の明があった。川はあっても川べりにいけないという都市はけっこう多いですから。それと100m道路の道幅を確保したことですね。このふたつは、広島の決断がよかった。あと、中島の平和公園。もとは民家が密集していた場所だったんですが公園にした。その結果、中心部に緑を多く残すことができたんです。でも、広島は景観計画の点からいうと、ちょっとじゃなくずいぶんと遅れ気味。まだまだ課題がたくさんありますね」と川崎先生。

大学にある先生の研究室には、全国を歩いて集められた写真が溢れんばかりに収められています。もっと心地よく、もっと美しい色彩景観のために、そしてこれからの広島のために、先生の写真ストックはこれからますます増えていきそうです。

写真

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