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連載記事 風土を旅する 第五回 近畿 薄雲に隠れた、街並みを歩く全国的に知られる歴史的風土を持つ大阪、京都をはじめとする二府四県からなる近畿地方。それら真の価値を再認識するように、各々を代表する“通り”を辿ることにした。

写真 人、寺、社が時間を共有する風景。千歳の歴史を抱く谷町筋。

大阪の主要なエリアといえば、キタ・ミナミ。どちらも、大阪市内を南北に走る御堂筋界隈の繁華街で、国内外から多くの人々を呼び寄せる。しかし、今回、私たちが大阪の風土を知る上で選んだのは、谷町筋。御堂筋の東側に位置し、真の大阪を知るには外せない上町台地を走る。また、地下鉄谷町線は、かつて高僧のみが纏うことを許された高貴な紫がラインカラーだ。天王寺から天満橋を結ぶたった5キロのこの街道、かつての「大坂」が今日の大阪に至った歴史と文化が凝縮されているのだ。そんな谷町筋の南端は天王寺から、北へと歩みを進めることにした。

天王寺駅は、JRや南海電鉄、地下鉄などの電車が乗り入れ、近畿南部からの人々を迎え入れる南大阪の玄関口。そこから谷町筋を北へ10分ほど歩くと、東に朱塗りの大門を構える四天王寺が鎮座する。日本書紀にもその名が記された最古級の仏教寺院は、聖徳太子によって奉られた四天王像をはじめ数多くの国宝が眠る。境内の雰囲気は、まさに威風堂々。その御堂の合間を縫うようにして、年配の女性が自転車で通り抜けていく。幼稚園児たちが走り回る。四天王寺の歴史も格式も、地元の人々の前ではごく当たり前の日常だと感じさせられる光景に、些かうらやましさを覚えた。

谷町筋界隈には実に数多くの寺や神社が点在する。その理由は後述するとして、西に通天閣を眺めつつ先を急ぐと、道が下り坂になっていくことに気がつく。そもそも大阪はかつて「大坂」と書かれ、由来はこの界隈の地形の起伏にある。生玉町周辺には「大阪七坂」という七つの坂があり、代表するのは源聖寺坂。細くゆるやかなカーブを描く石畳階段には、途中、真っ赤な南天の実をつけた木々があり風情に溢れる。

そして、次に目指す生國魂(いくたま)神社へ。地元では「いくたまさん」として親しまれ、境内にある十一の社には、多種多様なご利益があることで有名だ。こと商売事に関しては、建築、金物、鉄鋼、漁業など業界別に分かれているのがいかにも商いの街。また、近松門左衛門の「生玉心中」「曽根崎心中」の舞台にもなったことから、文楽関係者を祀る社も。今回の探訪では文楽人形職人に出会う機会にも恵まれたが、その詳細は「達人インタビュー」で触れることとしよう。私達が訪れたのは平日の昼間だったが、多くの人が参拝に訪れていた。中でもスーツ姿で足早に現れ、熱心に手を合わせる青年の姿が印象に残った。若い世代の信仰心が薄くなってきたなどという考えは、「いくたまさん」では杞憂というわけか。

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