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連載記事 風土を旅する 第四回 九州 淡色(あわいろ)の残る、静謐(せいひつ)の街へ

写真 険しい山々に抱かれた秘窯の里へ。神秘に滲む、蒼色の伝統工芸。

穏やかな水郷の街を後にした私達は、佐賀県を東西に貫く長崎自動車道を経由し、筑紫山脈の西端にある伊万里市へ向かった。日本伝統工芸の代表格である陶磁器の中でも、特に知名度の高い「伊万里焼」発祥の地であるこの地。今日もなお陶芸が盛んであり、匠が焼き上げる秀作を求めて全国から陶芸ファンが足を運ぶ。

実は、「伊万里焼」という言葉はこの地方で生産された陶磁器を総称したものであり、「古伊万里」「鍋島」など幾つかの種類にカテゴライズされる。中でも、私達は伊万里焼の特色を最も醸す釉薬・青磁原石が出土する大川内山地区を目指した。眼前に青螺(せいら)山、黒髪(くろかみ)山が現れる頃には、周囲にいくつかの窯を確認することができた。上空はまるで伊万里焼の艶のような鈍く青白い空。更にその先を仰げば、青螺山は丸皿を覆したような傘雲を被っていた。

「秘窯の里」と呼ばれる大川内山地区は、三方を険しい山々に囲まれ鬱蒼とした森が里を抱くように草木を茂らせている。天候のせいか、風景はまるで水墨画のように淡い。雨上がりの里は、霧によって更にその美しさを増し、訪れた者の心を奪うのだそうだ。観光客に混じって散策を始めた私達は、大川内山地区を見渡せる鍋島藩窯公園を目指した。この一帯は、かつて鍋島藩鍋島氏が治めた歴史があり、「鍋島」という名の陶磁器が今も残っているなど、伊万里焼の文化的発展・技術継承に長きに渡り寄与したとされている。

公園への往来で私達の目を惹きつけたのは、伊万里焼をあしらった幾つものオブジェ。里中を流れる小川のたもとに埋め込まれた数百に渡る六角形の陶磁器は、現代芸術と伝統工芸の融合によりファンタジックな風景を作り上げていた。足を進める程に感動を覚えながら展望台付近へと辿り着くと、眼下には斜面に絨毯を敷いたような黒瓦の家並みと、窯元から伸びる煉瓦造りの煙突が見えた。

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