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連載記事 風土を旅する 第三回 北陸 伝統に色づく街より

写真 季節を先取りし、暮らしを彩る和菓子たち

金沢にはもうひとつ、鮮やかな色彩を日常的に目にし、口にする習慣がある。茶の湯文化が栄えた金沢では、生活といつも密着して色鮮やかな和菓子文化があるのだ。例えば、お正月には必ず梅の花を模した「福梅」と呼ばれる最中が食べられるし、7月1日には暑気払いとして「氷室」と呼ばれる白い饅頭を贈答する習慣がある。また、婚礼のときには波(青)・太陽(赤)・山(黄)・月(白)・田(黒)を表した五色生菓子と呼ばれるものが配られるし、雛祭の夫婦雛をかたどった色とりどりのものや端午の節句の柏餅など、季節行事に応じた和菓子も数多い。抹茶に供される上生菓子は、少しずつ季節を先取りしながら、2週間に一度は新作が店先に並べられるというから、和菓子屋の店頭にはいつも季節の色が並んでいる。

「金沢の人は、ご自服でどうぞといういい方をするんですよ」とは、前田家の菓子司として創業379年目を迎える「森八」さんの女将・中宮紀伊子さん。「森八」で代々作られてきた落雁「長生殿」は、前田利常公と小堀遠州の二人によって作られたもので、日本三名菓のひとつにあげられている。

さてご自服とは、お茶はセルフサービスで飲んでくださいという意味で、ポットや茶道具など一式を渡されてしまうことらしい。女将さん自身、県外から嫁いできたので、最初にそういわれたときは戸惑ったそうだ。
もともと加賀藩は、茶道文化が盛んであっただけでなく、お茶も作っていたそうだ。金沢の家庭では、お茶の作法を習っていなくとも日常的にお抹茶が飲まれていて、どこの家庭へ行ってもお抹茶を置いている。その中で和菓子が生活に根付いていったのは、ごくごく当たり前のことだった。当然、和菓子屋も切磋琢磨して腕を磨くから、ますます盛んになったのだろう。

「店に立っていて最近気づいたんですけど、ご自宅用として家族の人数分だけ、3人だから3個というように少量ずつを買いに来られるお客様が増えています。昔はそういう人は本当にいなかったんですよ。時代が変わっても美味しいお菓子を食べて、美味しいお抹茶を一服立てるというのが、金沢の人にとってはホッとするひとときなのかなと思っています」と中宮さん。金沢では洋菓子屋さんより和菓子屋さんの方が多い。やはりそれだけ需要があるということなのだろう。

(取材協力:株式会社森八

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