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連載記事 風土を旅する 第二回 山陽 歴史漂う古道より

写真 いつまでも残っていて欲しい価値ある広島の風景

今回、広島・山陽の旅で訪れた場所は、はからずしもみな時間を長く感じさせる不思議な魅力を備えた場所だった。日頃、時間に追われる生活をしているだけに、ゆっくり時間をかけて長い歴史を刻んできた場所は、そこにいるだけで心のなかのとげとげしさや、ざわざわしたものを取り除いてくれるような気がした。
山陽道は、時代とともに大きく機能が様変わりし、人の往来も変わってしまってはいたが、山陽の重要な道であることに変わりはない。かつてのにぎわいはしっかりと町の礎となって根付き、それぞれの町のカラーとなって新しい時代を築いていた。そのなかに、これからもずっと変わらず身近な存在として、古い建物や景観が残っていって欲しいと強く感じた。

もちろん残っていて欲しいのは、山陽道の周辺ばかりではない。広島県はおよそ7割を山地と丘陵が占めているが、自然がつくりだした景勝地や狭い土地を利用してできた独特の景観も数多い。そこで旅の最終ポイントとして、山陽道を離れて筒賀村中筒賀へ行ってみることにした。県内でいちばん小さい山の村には、生活の知恵と風土がつくりだした絶景の場所があるからだ。

筒賀村中筒賀は広島県の西北にあり、春間近と思わせる暖かな広島市内とは異なって、まだ雪が残る急峻な山あいの厳しさを見せていた。村内に入ると、道は急に細くきつくなっていて、土地の狭さを物語っている。さすが9割が森林という村だけある。居合わせた村人に道を尋ねると、さらに山へと進む道を教えられた。しばらくして目印の小さなトンネルが現れ、不安にかられながらも通り抜けてみる。とたんにパッと視界が開けて、壮観で美しい風景が広がった。そこには、薄っすら残る雪の上に西日が反射して、静かな美しさを醸し出す見事な棚田があった。水田に水が張られて苗が育ち、山が新緑にあふれるころ、この光景はどれほど素晴らしさを増すのだろうか。

古い町並みにしろ、棚田にしろ、それらは自然がつくりだしたものではない。けれど、自然に溶け込み、風土の一部となって、もはや人工物とはいえない存在になっている。だからこそ、心がゆさぶられ、感激もするのだろう。そこに流れているさまざまな時間と人の物語を知れば、今以上に身近な存在になるに違いない。季節を変えてもう一度訪れたい。違う色彩を見に来たい。きっとまた新しい発見があるはずだ。そう思わずにはいられない広島・山陽の旅だった。

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