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連載記事 風土を旅する 第二回 山陽 歴史漂う古道より

写真 赤い瓦が物語る酒どころ西条の繁栄ぶり

竹原市の西隣にある東広島市にも山陽道沿いに昔ながらの建物が残っているという。どうやらこちらの方は、江戸時代の商家というより、いまも現役で活躍中の酒蔵のようだ。

その昔、広島藩領内最大の宿場町として栄えたこの地域には、灘、伏見と並ぶ酒どころ西条があり、いまも多くの蔵元が酒造業を営んでいる。町なかには、赤瓦の屋根に煉瓦の煙突、白壁やなまこ壁、黒塗りの格子がほどこされた建物が並んでいる。竹原とは全く異なった個性を主張していて、和の建物に洋のレンガ、それに黒、白、赤の対比がおもしろい。

ここから以西の山間部では赤瓦の家並みがよく見られる。盆地特有の気候や雪に耐えられるよう、この地方で生産された「油瓦」と呼ばれるものが使われているという。油土を使っているため瓦内部に水が染み込みにくく、冷害にも強い仕様になっているのだ。同じ赤瓦でも沖縄の赤瓦は太陽を意識していたが、こちらの赤瓦は気候を意識している。明らかに色合いも異なり、風土によってこれほど瓦の色に変化があるのかと、心惹かれるものがあった。

ところが、JR西条駅近くにある案内所で話を聞くと「この辺じゃ雪なんてあまり降らないけど、重くて値段の高い石州瓦が使われている。どちらかというと富の象徴ですね」と案内所のおじさん。確かによく見ると、屋根の上には鯱(しゃちほこ)まで付いていて、どこか誇らしげだ。宿場町や酒どころとして発展してきた西条の、自信と経済力が見え隠れしていてる。
ふと上を見上げてみたとき、おもしろいものを発見した。古い建物と建物が屋根裏でつながっている「くぐり門」と呼ばれる建物だ。この奥にあった芝居小屋への通路として使われていたそうだが、どう見ても大人が立って歩ける高さではない。かつてこの辺りは花街だったというから、何か違う使われ方をされていたかもしれない。ほのかに漂う酒の香とともに、そんなミステリアスな空想が広がっていた。

この建物の前に走っているのが山陽道だ。昔とは様子こそ違うが、いまも交通量の多い町のメインストリートとして健在だ。駅前に伸びる新しい道とは違って、車がすれ違うのもやっとという道幅だが、両脇に伸びる酒蔵や古い町並みが、何とも味のある風景をつくり出している。西条もほかの地域同様、近代的な建物がどんどん建てられ、町の景色も変わろうとしている。時代が変われば風土も変わり、暮らしも町も変わるのが常だが、山陽道が変わらず元気なうちは、古い酒蔵やこのくぐり門を壊さずに残しておいて欲しいと思う。

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