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連載記事 風土を旅する 第二回 山陽 歴史漂う古道より

写真 生活色豊かににぎわう映画・文学・水道の道、尾道

福山から山陽道をたどって、西へと向かう。次なる目的地は、福山同様、宿場と港町として栄えてきた尾道市だ。平地が少ない尾道は、山の斜面にひしめきあうように家が建っている。JR尾道駅へ近づくにつれて、その光景はどんどん間近に迫ってきて、甍の波は何とも窮屈そうに見える。
あちこちにひときわ立派な大屋根がのぞいている。山陽道時代の尾道は、広島内でいちばん大きく重要な町だった。商人達は対明貿易や北前船で莫大な富を築き、その恩返しとして地元へ寺を寄進したそうだ。それがいまも25カ寺残っていて、当時の繁栄ぶりを物語っている。

見晴らしのいい尾道のシンボル、千光寺山に登ってみた。といっても頂上までロープウェイを使うとわずか3分。いかに山と海が近いかがよく分かる。山頂展望台からは、眼下に尾道水道がよく見える。まるで川のような瀬戸内海は、薄っすら白くかすんでいて絶景とまではいかなかったが、天気の良い日は遠く四国連山まで見えるそうだ。
ふもとへは、歩いて戻ることにした。歴史がある町だけに落ち着いた構えの古い家も多く、坂道と細い道が入り組んで独特の景観をつくり出している。下から見あげたときの窮屈さはなく、むしろのどかで落ち着いた感じがする。この町並みに魅せられて、観光客が後を絶たないというのもうなずける。ガイドブックには、よく「映画の町」「文学の町」「坂の町」といったフレーズが使われているが、それよりも尾道の町は、ゆっくりと歩いてこそよさが分かる「散歩の町」ではないかと思った。

かつて山陽道であった商店街を歩いてみた。早朝だというのに手押し車の行商さんが商店街には並んでいる光景がみられた。これは漁師の町・尾道の漁師の奥さんたちが朝どれの魚を商店街で売っているもので「晩寄(ばんより)」と呼ばれているらしい。
しかし、観光地にしては尾道の夜は驚くほど早い。商店街や土産物屋はいうまでもなく、有名な尾道ラーメンの店ですら早いところで夕刻を待たずに閉店してしまう。
尾道の朝は早く、夜もまた早い商店街は、いまでこそ地元の雑誌に「廃れている」と書かれるほどだが、往古には宿場や本陣が置かれ、おおいににぎわっていたのだろう。

尾道の朝が早いことを裏付けるもうひとつの光景がある。尾道と対岸の向日島とは、尾道大橋以外に6つの渡船で結ばれていて、朝ともなると尾道水道を行きかう人が引きも切らない。海というより川と呼びたくなるほどの距離しかなく、乗船時間はわずかに3分程度。到着した渡船から、郵便配達のバイクがわらわらと下りて行く様は、この船が生活に密着していることを物語っているようだった。

向島に渡ったついでに、ひとつ先の因島まで渡ってみる。かつて瀬戸内海を牛耳り、高麗や明をも恐れさせたという水軍発祥の地である。その栄華は、復元された水軍城がわずかに伝えるだけだったが、代わりにここから愛媛県へと続く芸予諸島を一望することができた。秋には、みかんの一大産地としても有名なこの場所は、斜面が黄金色に染まり、華やかな光景が蘇ることだろう。

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